〜 8話 〜 「 林間学校 3日前 」




  「玲。 お前林間学校の準備はしっかりしているだろうな?」



   海響達、黒帝の生徒役員たちは特にすることもないが

   生徒会室に集まっていた。



  「し・・・ してるにき、き待ってりゅだろ」

  

  「どもってるって。 っていうか誤字ってるし 噛みすぎでしょ 玲ちゃん」



   ケラケラと笑いながら漫画を片手にツッコミを入れている七乃花。

   ちなみに、タイトルは・・・・ 伏せておこう。



  「玲ちゃん言うなや。 七乃花めッ」

 

  「何回でも言ってやるわよぉ〜 玲ちゃん♪」



   もぅ ツッコミさえも入れない海響。

   ちなみに 今ここにいるのは、七乃花・海響・玲

   の三人。藍華と悠詩は校内の見回りにでかけていた。



  「藍華。 俺らちょっとピンチってやつか・・?」

 

  「ちょっとどころか、かなりだよ 悠君。」



   ちなみに 悠君とは藍華が悠詩を呼ぶ時のあだ名である。

  

   二人の会話の声色を聞いているだけでは、ピンチそうには聞こえないが

   実際は、 二人を明らかに柄の悪そうな10人程度の男子生徒が囲んでいる。

   ようするにリンチ状態?



  「お前らがいるから俺達の肩身がせめぇんだよ。

   ということで ここでボコボコにする。」



   リーダー格と思われる、一番巨体な生徒・・ 仮に生徒Aとしよう。

   生徒Aは、 ガハガハ笑いながら「やれ」 と顎で周りの取り巻きに

   指令をだしていた。



  「う〜ん・・・ 鎌は使っちゃダメだよね?」



  「あぁ あれは蟲対策だからな・・・ 生身の人間に使うと始末書

    書かされるぞ・・」



   げんなりした悠詩の言い方では、まるで体験済みのよう。

   実際、悠詩は過去に何十枚もの始末書を書いている。



  「だからだ、ここは素手で。」



  「その前に、和解って手はないんですか?」



  「ッツ お前ら俺達をムシすんじゃねぇ!

    何故 俺達がお前たちを襲おうと思っているか教えてやろう」



   生徒Aの右方面から、明らかにガリ勉です。と言った風格の

   眼鏡をかけた生徒が前に出てきた。 仮に生徒Bとしよう。

  

  「「いぇ 別にいいですよ」」

 

   二人同時に放った言葉は、綺麗に一時一句間違わずハモっていた。



  「「そこでハモるなぁッ!」」



   先ほどの 生徒Aと生徒Bがハモっている。



  「まぁ とりあえず、何故私達を襲おうとしているのかを

    聞かせてくださいよ。 返答次第で結果がかわりますので」



  いつもより3割増し笑顔の藍華は少し不気味だ。

  それを隣で見ていた 悠詩は気づいた。

 

  「(・・・ あぁ。 何かストレスがたまっているな・・・

     そしてあの笑顔は明らかにあいつらで憂さ晴らしをしようと

     している眼だ・・ だって 眼が笑ってねぇんだよッ)」



  「フッ 何故かって? いいだろう聞かせてやろう。

   それはまだまだ 冬空の寒い季節のことだった・・・



   生徒Bは一人語りに突入した。 

   それを周りで聞いている取り巻きたちは、 涙を流しつつも

   懸命にうなずいている。



  「まだですかね〜・・・」



  「というか この間に逃げないか?」



   二人は蚊帳の外状態になっている。

   その間も、 生徒Bの力説は続く。



   〜 20分経過したよ 〜



  「という 訳だ。 わかったかぁ〜!!」



   『ひゅ〜るるるr』



   生徒Bの力説が終わったころには、悠詩と藍華は

   立ち去っておりそこには柄の悪そうな 10程度の生徒が

   涙を流し突っ立ていただけである。



   が、 一人だけ地面とこんにちわ をしている生徒がいた。



    ・・・・ 生徒Aである。

   生徒Aはこの後、登校拒否をするようになってしまった。

   しかし、登校拒否だけではなく うす紫色の物すべてに

   恐怖心を抱くようになり精神的にもおいつめられている。

   

   

  「(こんなかで最強なのって実は・・・藍華?

     ボクも藍華だけは怒らせないようにしよう・・・)」



   ひっそりと 胸の中で誓う 悠詩であった。



 

   女子は強し。 男子も尻にひかれているばかりではいかないぞ?



   それよりも、林間学校の準備はしっかりね 黒帝諸君。





  
  
  
  
  
  
  
  
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