〜 7話 〜 「 恐怖の料理 」




 

 赤髪の少年の手には湯気を立てた、マグカップが握られている。

 口にした瞬間・・・



  「ゴフッ」



  『バタンッ・・・ ゴンッ』

  

  赤髪の少年は息絶えた。



 「きゃぁぁ ちょっと 壱葉? 壱葉ぁあぁあ」



  橙色の髪の少女が先ほどの少年をゆすっている。



 「貴乃 諦めるんだ。 もぅ彼はッ」



  悔しそうに水色の髪の小年?は貴乃の肩に手を乗せた。



 「でもッ でも・・・・」



 「もぅ 何もかも遅いんだよ。 その代償に彼は・・・

  彼の死を無駄にしないためにもオレ達は・・」

    

  3人の悲劇を観賞しているのは、

  先ほどまで蟲と闘っていた白帝と黒帝の役員達。



 「いつまでやっているつもりなんだ?」



  くだらないと明らかに思っている 海響。



 「いつまでも・・・・ 飽きるまでってところかな」



  さっきまでは面白そうに見ていた、きらね。



 「だから・・ 藍姉の作ったものを口にしてはいけないと・・」



  落胆の色を隠さない 空。



 「何なに? 藍華ちゃんの作るものって危険なの?」



  興味深々と言った様子の 七乃花。



 「そんなんじゃ ないって ちょっと変な味がするだけで・・」



 「変な味がする時点で、危ないと思うが・・」



  反論するが、ちょっと反論する点がずれてる藍華。

  それにめざとくつっこむ 悠詩。



 「あぁ もぅ あ〜きた。 ヤメヤメ」



  先ほどまで、ノリノリだった貴乃は早くも飽きた模様。



 「お〜い 壱葉? 起きろよ」



  玲は、壱葉を起こそうとゆすっているが



 「・・・・・・・・。(青白くなってゆく顔)」



 「って これって 俗に言う中毒症状じゃないですかぁ?」



 「って 危ないですよッ 何か中和するもの? ぇ 中和?!?」



  一人で、あわて始めた玖穏。



 「五月蠅い。 黙りなさい。」

 

  と冷静に、玖穏の横っ腹をくすぐる貴乃



 「ひゃぅわ ・・・ うぅ 椎名会長・・」



  ぺたんと地面に座り込んでしまった玖穏。

  玖穏君は、横っ腹が弱いみたいです。



 「海響ッ 何か回復する技。 壱葉にかけないさい」



 「面倒だ。 そのまま寝ていれば静かになって一石二鳥だ」



 「場の空気を軽くするものがいるでしょう」



 「別に、勝手に重くなればいいと思う」



 「あんたがよくてもこっちは嫌なのよ! いいから早くするッ」



  2人の口論はまだまだ続く模様。



 「はぁ。 何で生徒会ってこんなのばっか?」



  呆れた様子の空。



 「ふふ。 その生徒会に入ってる空君は何なの?」

 

  密かに空の横に座る七乃花。



 「七乃花さん・・・ それを言わないで下さいよ」



 「まぁ 空君怪我がないみたいだからよかったよ」



 「それはこちらの台詞ですよ。 七乃花さんも怪我はありませんか?」



 「ないよ。 空君が飛んできてくれたからねv」



 「//// 別に飛んできたつもりはありませんッ」



  海響ほど、無表情ではないが表情の移り変わりが激しいと

  言うほどではない空。

  しっかりしている印象があるために年相応の赤面などは珍しい。



 「可愛いねぇ 空君♪」



  





  幼馴染の口論は絶えず。

  密かに 恋の花が咲き始める。

  

  ほのぼのとした空気とは裏腹に、

  校庭には、鴉の群れが。

  いったい 白帝と黒帝におこるのか。



  



  「一嵐 来そうだな。 だがまたそれも一興」



  ブラインドの隙間から、扇子で顔を隠している人物が一人

  校庭の様子を見ていた。



 

  
  
  
  
  
  
  
  
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