〜 6話 〜 「 学園共同蟲退治 」


雨はなおも降り続いている。

 しかし風は、人為的に止められているかのように吹きやんでいる。



 「Water, shut in that person!!」  

 (水よ、かの者を閉じ込めろ!!) 



 玲は、水をまとった洋風の剣を地面に突き刺し

 左手をあげて、親指と人差し指の腹を擦り合わせ音を「パチン」と鳴らした。

 音を鳴らすとともに、口から紡がれた言葉に剣が反応を示し

 あげていた手には水のような物が腕にまとわりつく



 「Go」



 目の前に居たカマキリ型の蟲を指差した。



 すると、玲の片手にまとわられていた水のようなものが

 意志をもったかのように蟲のほうに飛んで行った。

 水のようなものは、蟲を囲んで包み動きを封じた。



 「よし。 とりあえずこっちは心配ないぞ」

 

 一安心したように、玲は後ろを向いた。



 玲の背後では、片手にお札を持っていた海響がうなずく



 「わかった。 これは我が処理しておくから藍華の方を手伝ってきてくれ。

  あの鎌は長期戦には向かないんだ」



 「あぁ。 わかったよ」



 黒帝の役員は、いち早く蟲が出現したところに出向かっていた。

 現場にいたのは、 高レベルの蟲が三体に

 低レベルの雑魚な蟲が数十匹だった。

 蟲は本来、低俗知能しか持たないために集団行動はしない。

 いや する知能がないともいえる。

 しかし、 高レベルになるにつれ知能もあがり

 考えることをするようになるまでになるものが稀にいる。

 そのようなレベルになると 通り名がつくことがあり恐れられている

 力のないものは、力のあるものの下につく

 ようするに 弱肉強食の世界と言える。



 「漆黒の暗闇に呑まれろ、 己の罪に嘆き、跪くがいい。」



   『ギャァァァァアアアアアアアアァァァ』



 

 「 聖なる光 舞い落ちれよ 聖舞」



   『ギャァァ』  『グァァァ』



  複数の蟲の叫び声が聞こえる。

  どうやら 出遅れていた白帝の者が追いついたようだ。



 「海響ッ  雑魚は私達に任せておいて!

     本体の三体を先に殺ってきなさぃッ」



  チャクラムを自在に操り、 爆発や光の矢を放ちながら

  貴乃は叫んでいる。

  叫んでいる間にも、 貴乃の周りにいる低レベルの蟲は

  チャクラムからの光でつぶされていっている。



 「わかった そちらは頼んだぞ」



  海響は振り返りもせずに言葉を返し、

  悠詩達のほうへと駆けていく。



  数十分後。

  海響達の周りには、少々グロテスクな蟲の残骸だけが残っていた

  

 「大体これで終わったかしら?」



 「こんなもんだろう」

 

 「じゃぁ 結界を解くぞ」



  海響は目を瞑り 口で言葉を紡ぐ

 

 「聖なる 結界よ 解除を今 主が命ずる。 封解」



  『ヒュゥゥゥウウウ』



 一陣の風が海響達の周りに吹き荒れている。

 先ほどまでのあの無風はいったいなだのいだろうかと

 思わせるほどの強風である。



 「皆さん。 お怪我をしている人はいませんか?」

 

 藍華が、全員を見渡す

 

 「っと 特に目立った傷はなさそうね。 掠り傷くらいならすぐ直るし」

 

 「そうやねぇ 大丈夫や」

 

 のほほんとした口調で壱葉が答える。



 「こちらも特にはないか・・・」



 「腹減った・・・ 海響ぉ 帰ったら何か食いもん用意しろ・・」



 「僕もお腹減っちゃいました」



 「私もぉ〜 動いた後はやっぱ補給が必要よねぇ」



  皆さん体力の消費が激しいようで・・・

  

 「しょうがない。 いったん生徒会室に戻って何か作ろう」

 

  という 海響も腹に手をてている。



 「じゃぁ 私も手伝うね♪」

 

  と 藍華。みるからに家庭科は大得意そうだが・・



 「「お願いだから やてくれ(やめて) 藍華(藍姉ぇ)」」



  必死になって藍華を止める、 海響と空



 「ぇ 何で? 藍華ちゃん 料理うまそうやん?」



  きょとんとして二人を見る壱葉。

 

 「「 人は見かけにはよらないんだ(ですよ)」」



  死にそうな目をした2人を壱葉は「これは一癖あるんやな」

  と解釈し、 もぅ深くは聞きはしなかった。



 

  蟲退治お疲れだ 諸君。

  そして 藍華の料理の腕前とは?

  次号 明らかに!・・・ なるのか?



  「「ならなくていいッ」」 By 海響&空

 



  
  
  
  
  
  
  
  
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