〜 3話 〜 「 セーラ服生徒会長 」




 「只今より、第一回。白帝・黒帝 生徒会会議を始めます」



 

  空一面に、ドス黒い雲が広がり今にも雨が降り出しそうなとある日。

  黒帝のトップと白帝のトップ集団が、黒帝生徒会室で会議を始めた。

  もちろん は、セーラー服である。



 「今回、司会をいたします 黒帝会計の久遠です。 以後お見知り置きを。

  では 黒帝より自己紹介をお願いします。」



 「。」

 

 「はぃはぃ。 俺の名前は 柊。 会計だ。 右から

  副会長、市原 。 書記、柊。 あと・・・ 久遠。 以上だ。」



 「では、 白帝の方お願いします」



 「紅林。 よろしく」

 

 「わいがか? 副会長のがやればえぇんやないんか?」



 「つべこべ言わずにやれ」



  はどうやら未だに、前回の失敗を引きずっているらしい。

  

 「怖いわぁ〜・・・ わい何すればえぇの?」



 「もう結構です。 僕がやりますので、紅林先輩は座っていてください」

 

  しびれを切らした様子の



 「右から、 会長・椎名  副会長・桐野  会計・椎名 

       書記・雨崎 、雑用の 紅林 です」



 「じゃぁ 本題のほうにうつりましょうかねぇ・・。」



 「はぃ。 質問があるんやけどぉ」



  ニヤニヤと笑いながらが手を挙げた。



 「ぇーっと・・ 「ってよんでや」・・ 先輩ドウぞ」



 「先輩はいらんやけどな、 まぁ 質問ってのは

   そこでさっきからこっちとまったく見てないくて、ひそかに司会の進行をちゃんに

   教えとる、謎のお嬢さん? の存在なんやけど・・」



   白帝の役員は一斉にその お嬢さん?のほうをむく。



 「・・・・・・ップ・・・」

 「・・・・ ククッ・・・」

 「あはは・・・・・ははは」



  笑いを懸命にこらえている、黒帝の役員。



 「・・・・・・・。」



 「確か・・・ さっきの自己紹介では、 久遠って名前だったようなきがするんやけどなぁ」



 「・・・・・・・。」



  ひたすら、窓のほうを向く

  その態度を見た、はさらにニヤリと笑った



 「わいがちぃっと昔の面白小話を教えてやろぅ。」



  「「「「ハッ?」」」

 

  いきなり、話し始めた。その話をしている間も顔には

  ニヤニヤした笑みを浮かべている。



 「昔々 あるところに、一人の少女と二人の少年が仲よぅ遊んどりました。

  少年の一人はその、家柄の関係で何故かいつも女の子の格好をしとったんや。

  その少年の当時の写真がコレや。」



  おもむろに、ブレザーの内ポケットに手を伸ばす。

  手には、少し折れている一枚の写真が・・・



  『 シュパッ 』



  「「「 ぁ 」」」



  ずっと 窓のほうを見ていたと思われていたお嬢さんもとい、は足音も立てずに

  の後ろに移動し、手に持っていたお札がの持っていた写真を八つ裂きにした。



 「・・・・。」



 「なんやぁ? だぁれもお前さんだとは言うてないやろぉ?」

 

  ニヤニヤと笑い続けている

ふぃっと 違う方向を見る

 

 「それに、まだまだ いっぱいあるしなぁ〜・・?」



 「・・・何が言いたい。」



 「やぁっと喋ってくれたなぁ? ・ク・ン」



 「・・・・。」



 「あぁぁー…思い出した!小さい頃よく遊んだ、ちゃんでしょ?!」



  いきなり、椅子から立ち上がった



 「・・・・・。」



  一歩ずつ、密かに窓に近づく

  注目すべきはここは二階だと言うこと。

そして、外は大雨だと言うことだ。



 「どっかで見たことあるなぁとは思ってたんだけどねぇ」



  呑気に話す。心なしかスッキリしたような顔をしている。



 と その時。



 「。 後は頼んだ。」



 「ぇッ? 久遠会長 ちょと 待ってくださ・・・・ 」



 は軽い身のこなしで、2階の窓に足をかけて今にも飛び降りそう

 になった瞬間に、



 「なんや? あの時の あんな写真やこんな写真をバラまいてもえぇのかなぁ?」



 「・・・・・・。」

 

  いつもは、無表情に近いほど冷静なが今日は何故か振り回させており

  珍しく 焦っている。



 「珍しい〜 クンが冷や汗かいてるよ」

 

 「本当だな。 あんなに焦っているは珍しいな」



 「う〜ん 約5年ぶりくらいかなぁ〜・・」



 「そんなに前か? の無表情が崩れるの・・・・

  というか、の無表情を崩れさせるほどの写真のほうがオレは気になる」



  呑気に会話中の黒帝役員。

 

 「桐野副会長 ひとつ良いですかね」

 

 「ん〜? 何かなぁ」



 「僕たち完全に置いていかれてると思うんですが。」



  会話に乗れない白帝役員。(を除く)

 

 「う〜ん。 とりあえず何か面白くなりそうだから傍観者でいましょう」



 「傍観者ですか・・・・ ハァ。」



  この会議は、長引きそうだ。 というのため息交じりの呟きは

  が投げて壁にささったお札の『グサッ』 という音にかき消された。



  

  こんな集団が両校の最強集団?

  というかの小さい頃のあんな写真やこんな写真の正体は?

  そんなことより 会議はいいのか? 白帝ならびに黒帝生徒会諸君。
  
  
  
  
  
  
  
  
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