〜 3話 〜 「 想定外迷子 」



 青い空がいつまでも続くと思われていた、午前中。

 午後になりはじめると、ドス黒い雲が空を一面に覆った。



 『ザーーッ・・・・・』



 「降ってきたな・・・・」

 

 窓のレールに片腕をつき、憂鬱な顔をしているのは 黒帝生徒会長。久遠 。 

 ちなみに今着ている服は、女子生徒のセーラー服である。



 「絵になるよね。 雨を見て憂鬱になっている美少女。」

 

 「ププッ 確かに。 まるで待ち人来らず的な?」

 

 「まぁ 確かに、今現在進行形で私たちは待ち人来らずですね」



 「会議の時間まであと 何分だよ」



 上から、 。 黒帝生徒会役員である。

 そして 今待っているのは白帝生徒会である。



    *−*−*





  黒帝の生徒会が待ちぼうけをしている頃の白帝の生徒会は、



 「ここどこよ!!」



  黒帝学園校内で、迷子になっていた。

 

 「椎名会長が、方向音痴だなんて想定外ですよ」

 

 「君。 ここだけの話なんやけど1年のころのはの・・

  実は1年の「アアァァ…ルサイッ! ココドコダロゥナァ…ドコナンダロー!!」



 「ちゃんキャラ変ってるって」

 

  廊下のど真ん中で、大声を出しているのは白帝生徒会長 椎名

  過去を暴露しそうになったの発言を懸命にさえぎっている。

  そんな2人のやりとりを見て笑っている、桐野。これでも副会長。



 「椎名会長の過去か… 弱みを握れるかなぁ〜(ボソボソ」


  ひっそりと、黒い発言をしているのはの弟である 椎名



 「あのぅ 皆さん。とりあえず今僕たちの置かれている現状を把握したほうが・・」



  一人で焦っている、常識人(というか苦労人)である雨崎 



 「ここで 問題が一つどころか、三つほどあります。」

 

  が、振り向きざまに指を3本立てている。



 「う〜ん・・ 3つねぇ。 一つ目、 ハィ クン」

 

  わざわざ後輩に言わす、



 「ぇ 僕ですか・・ えーっと・・「 3・・2・・・」

   会議をする場所がわからない・・?」

 

 「2つ目。 はぃ。 。」

 

 「んとなぁ 会議開始まであと5分やなぁ」



 「はぃ。 3つ目 会長」



 「?! 私が1年の時、教室までたどりつけなかった?」



  焦りすぎて、自分の過去を暴露してしまった



  「「 自分でバラしてどうするの(するんや)」」



  一気に赤面になったが叫びそうになったとき、

  

  「ぁーー… こちら 第参班。白帝御一行を発見しましたぁ どぅぞ?」



  『 了解。 早急にこちらに案内しなさい。』

  

  「御意。」



 「「「「 … 誰?」」」」



  廊下で騒いでいた白帝の前に現れたのは・・・



 「あぁ? お前らのためにわ・ざ・わ・ざ 派遣された生徒会役員。柊 だ。」



  不機嫌丸出しな、でした。



 「黒帝の生徒会の方ですか。 わ・ざ・わ・ざ、派遣されまして有難うございます。

  白帝生徒会長の 椎名 です。」

  

 額に青筋が立っているのは、おそらくやつあたりになるであろう。

 というか、いまだに自分で過去をバラしたのを焦っているらしく日本語がおかしい。



 「あぁ。 自己紹介は後だ。 まぁ ついてこい。我ら 黒帝の生徒会長が待っている」



  腕時計を見ていて、気付かなかったらしい 



 「本当ですか。急がなければいけませんね、わざわざお手数かけましてすみません」

 

 しっかり者の空君は、呆然としている会長を押しのけ挨拶をする。

 本来ならこれは副会長の勤めのような気がしないこともない。



 「。 行くぞ」

  

 「あ、うん。待って君」



 「クン 何でだけ呼ぶねん? わいも呼んで欲し「拒否します」

  早ッ 何やその即答。 酷いんとちゃう? わい 傷つくわぁ」



 「勝手に 傷ついててください。 副会長も早くしてください。

  クン。 行きますよ」



 「まってよぉ 君」



 「くん聞いてやぁー。 君の扱いが酷いんや」



 「へぇ〜 そうですか…ざまぁ(ぼそっ」



 「冷たいッ 何でそんなに冷たいんや? わい本当に傷つくで? ほんまに」



 「「勝手に傷ついててください」」



 スタスタ 進む一行。 置いていかれている

 これでも会長。



  「って!!」

  「みんなして 酷ない? って 置いていかんでや〜ッ」



 どうにか、こうにか 会議室にはつけそうな白帝生徒会諸君。



 今日は、会長の意外な一面が見られましたね。

  
  
  
  
  
  
  
  
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