15話



  「皆さ〜ん カレーですッ!」



   藍華の声が響わたる。

  

  キャンプファイヤーを、広場に焚き夕飯の時刻となった。

  生徒達は、慣れない山歩き後の夕食に我先にと先を争い集まっていた。

  その中でも、軍を抜いて早い赤髪の少年がいた。

  そう。 阿保の子代表。 紅林壱葉である。



  「飯ッ わいに飯をぉ〜〜〜」



  ご飯は、セルフサービスになっていて好きなだけお椀に持っている。

  ちなみに、壱葉はお皿の2/3がご飯になっている。

  しかしよく考えており、 真ん中を開けてドーナッツ型にしている。

  これなら、カレーをこぼす心配もない。



  ご飯を盛ったお皿を持ち、カレーコーナーへ急ぐ壱葉。

  カレーは、海響・悠詩・貴乃がわけていた。



  「並べ。それぞれ一列にだ。 聞こえなかった奴は・・」



  「「ぶっ飛ばす」」



  貴乃と悠詩の一言で、 一般生徒達はズサッと3列に綺麗に並んだ。

  言葉を発する者もいなく、あたりは静まり返った。



  そこに・・

 

  「わいのカレェェェェエエエエエエエエエエエーー」



  お皿をもった、阿保の子代表が駆けてきた。

  列に割り込み、貴乃の前に皿をずずいと差し出す。



  「カレーカレーカレー!!」



  目をキラキラと輝かせ、貴乃の顔色を窺う壱葉。

  しかし、貴乃は下にうつむく。



  「貴乃・・・ 我が許可しよう。 列は、平等に2列になれ。」



  ちなみに 3つの鍋が並んでおり右の鍋を悠詩、左の鍋を海響。

  真ん中の鍋を、貴乃が担当していた。

  

  海響の一言で、真ん中の列に並んでいた一般生徒は左と右に綺麗に別れた。

  そして・・



  「壱葉? 聞いてたかな・・ 並ばない奴はぶっ飛ばす」



  うつむいていた顔をあげた貴乃には、今までにないほどの満面の笑み。

  しかし、目が笑っていなかった。



  「カレー!! わいの皿にカレーをッ」



  「ッるさい!! まずはあんたをぶっ飛ばしてからよ!!」



  「・・・。 貴乃・・ わいのお皿にカレーをもらんのならわいも容赦はせんぞ」



  「望むところよッ! そのかわり私に負けたら、夕 飯 ぬ き だからね」



  食べ物の恨みは恐ろしい。 

  壱葉が本気と書いてマジと読むモードに入っていた。

  

  火花がバチバチと散っている中・・



  *−*−*



  苺の香りが、ほのかに香っている。



  「はぁ。 一行に列が進まない・・」



   『グゥゥ』



  列の最後尾に、皿に少し多めのご飯を盛った 空・玖穏・干弥がいた。

  

  「・・・。 玖穏・・」



  ジトーッと視線を後ろに並んでいる玖穏に移す空。



  「いや 僕じゃな『グーぅぅ』 ・・いや今のは僕のだけど・・」



  あたふたとし始める玖穏。



  『グゥー』



  バッと、空と玖穏は同じ動作で後ろを振り返った。

  そこには、明後日の方向を見た干弥の姿。

  

  「ひぃくんだったの?」

  

  「別に・・ ひぃくんじゃないこともないもん」

 

  ふぃっと、顔を合わせないようにしている干弥。

  しかし、髪の間から見えた耳が赤くなっていた。



  「干弥クン。手を出してみ」



  「ぇ?」

  

  グイっと、干弥の手をひっぱった空。

  干弥の手の上には、 いちごミルクの飴が3つ。

  

  「あ・・め?」

  

  「ひょーだ。 らめだ」(訳:そーだ。 あめだ)



  舌の上に、飴を乗せ喋る空。

  微妙に、呂律が回っていない。



  「さっきから、苺の香りがするなーとは思っていたんだけど・・

    空君ばっかりズルイッ!」



  でかい図体をして、駄々をこねる玖穏。

  しょーがないなと言いながら、ポケットから飴を取り出し

  包装を取り、抜き出しになった飴を玖穏の口に放り込む空。



  「むひょ『ガツッ』 ・・っ・・」



  あきらかに、飴が前歯にあたった音がした。

  玖穏は、痛さのあまり座り込む。



  「クスッ・・」

  「ぶはッ・・」



  干弥と空は、噴き出した。



  *−*−*



  背中に、いつもしょっている2本で一対の日本刀を取り出し、

  ガチンと交差される、壱葉。

  いつもの阿保っぷりはどこへやらいつもの様子とは別人のような壱葉がいた。

  

  流石に、いつもとは違いすぎる気配に貴乃は押されていたが

  白帝生徒会長の肩書は伊達じゃない。

  余裕を醸し出す、兆発を壱葉に仕掛ける。



  「ほら。 きなさいよ?

   (ッチ・・ 白帝の会長候補にあがっただけの実力はあるわけね・・)」



  蟲との、戦闘時もヘラヘラと防戦一方なために壱葉の本当の実力は定かでない。

  

  スゥと目を細め、ガチンと刀と刀と打ち合わせ言葉を紡ぐ。



  『集うんや!樹生霊 怨視木霊斬<エンシコダマザン>』



  壱葉の、右肩に青白いぼやぁ〜としたものが現れる。

  青白くシーツのようなものがフワフワと貴乃に近づく。

 

  「ッツ」

  

  後ろに飛び退く貴乃。

  周りを見渡すと、同じ青白くシーツのようなものが浮かんでいる。

  

  「な、・・・」



  声も出ない貴乃。

  

  「遅いなぁ・・ 目でわいの姿おえてもいぃひんの?」



  前にいたはずの、壱葉の声が背後で聞こえる。

  ハッとなって後ろに姿を向けるが、すでに壱葉は剣を振り下ろしている。



  『ガキィン』

 

  「・・・ 腕が落ちたか?」



  目を開いてみると、カレーの付着したおたまで日本刀を受け止めている

  海響の姿があった。しかも、かっぽう着のような白衣に白い三角巾を頭にしている。

  

  「カレーだ。 食わんのか」



  右手で、おたま。(日本刀を受け止めたまま)(しかもガチガチ言ってる)

  左手には、 ドーナッツ型のご飯の真ん中にアツアツの  

  カレーが盛られた美味しそうなカレーライスの姿。

  さらに、ゆで卵が盛りつけられている。



  「わいの カレーやん!! あ・お・とぉ〜 スプーンッスプーン!」



  今までの様子から、打って変って普段の阿保丸出しにコロっと変わる壱葉。



  「ほら。 昔から使ってるクマさんつきのお前専用スプーンだ」



  「わーぃ。 カレーッ カレー!!」



  カレーを持って、危なげながらスタスタ〜と走って行ってしまう壱葉。

  ドサっと座り込んでしまった貴乃。



  「・・・。 さっきまでのがアイツの実力?」

  

  「さぁな。 一部かもしれんぞ?」



  やってられないわと、いいながらも顔には笑みが浮かんでいる貴乃。

  そして、ひっそりとかっぽう着風白衣が妙にしっくりきている海響。



  「なんでもいいんで早く、カレー分けないと市原副会長に全部食べられますよ」



  「ん〜・・ カレーはうめぇよなぁ。」



 

  「「はやまるなぁぁああああああ」」



  その後、貴乃VS玲の戦闘が始まり一悶着あるが

  その間に、悠詩と海響の頑張りにより全員にカレーが行き渡ったそうな。

  
  
  
  
  
  
     
  
     
  
  
  
  
  
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#笑っちゃいけない!蒼ちゃの本音(メールで送られてきた、蒼ちゃのこめです^^)----------

ぁーはぃ。15話。うん、女子でてこねー(ぇ
しかも、微妙にBLチックがあるとかそんなまさk
意識したわけではないんだ、 ちょっとオレツン(椎名:男達の友情…(ぶっちゃけ)びいえるの小説です、bkmにありますよー)が足りなくてだなぇーっと(ゴニョゴニョ

今回は、壱葉がでしゃばってるy
ちとマジモードな壱葉サンはある意味惚れる。(ぇ

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