side 黒
空が、夕闇に暮れ始めた頃。
黒帝生徒会は、執務を執行していた。
一人一人が、自身の化身ともいえる武器を身にまとい
「蟲モンスター 」と通称されるモノと闘っていた。
蟲モンスターには、種類がある。
トンボ・カマキリ・クモ・ハチ。
普段目にするような昆虫だが、異様なほど大きい。
そして。黒帝生徒会の前にいるのは、カマキリ型の蟲モンスターだった。
「もぅ・・ あたし、なんでこんなことしてるんだろう・・」
先端に、鍵フックのついたワイヤーを自由自在に操る少女。
セ^ラー服の短いスカートからは、黒のスパッツが見え隠れしている。
少女の名を、柊 。
「しょうがないですよ。 これが私達の仕事なんですから」
苦笑交じりに話しかけてきたのは、と同じセーラー服を着ている
腰の近くまで髪を伸ばした少女・・ 久遠 だった。
手に持った自身と同じくらいの鎌を振りまわしていると死神のようである。
「口を動かす暇があったら、さっさと終わらせよーぜ」
欠伸をかみしめているのは、木の根に座り込んでいるくせ毛の長身な少年だった。
の二卵性の双子の兄、 柊 だった。
「そういうなら、お主も闘ってきたらどうだ?」
ストンと、が座り込んでいた木の上から下りてきたのは
身長が小柄で、腰まで伸びた髪を後ろで一つくくりにし、左目に眼帯をした少年だった。
少女とも思えるがれっきとした男である 久遠 。
の兄であり、黒帝生徒会の会長でもある。
「口を動かしてるんだったら、早く終わらせろっつの・・」
不満を口に漏らしつつ、洋風な装飾の施された空色の剣を構えているのは
市原 。 学ランを着ているが、女子である。
本人いわく 「俺に スカートを履けと? ふざけんじゃねぇ」とのこと。
以上の5名が、黒帝生徒会のメンバーとなる。
「さてと・・ アニメの放送はじまっちまうし、俺も参戦すっかな」
重い腰をあげ、肩をゴキゴキと回し始めるを見て
、は後退していく。
が、剣を構え蟲モンスターへと突進していく。
ひと振りで、蟲モンスターの前足がドスッと音をたて地面へと落ちた。
そしてナックルを構えたが、バチバチとナックルに電撃を集束していく
「終わりだ!」
最後の一撃を、蟲モンスターの額にある「石(レンズ)」と呼ばれる弱点へと叩きこむ。
ドォっと、カマキリの身体が地面に倒れこみ、奇声を上げる。
「漆黒の闇に呑まれろ、 己の罪に嘆き跪くがいい」
の符が、ポワァと光をともし蟲モンスターの額にある破壊された石の跡へと
貼りつく。すると蟲モンスターの身体が、次第に薄れていく。
蟲モンスターの雄たけびが風に乗り消えていった。
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