ものずごい異臭がする。

焦げ臭いのに、生っぽそうな………

そんな中、少女の声が響き渡る。



「お兄ちゃん〜♪空〜♪」

「………藍華か?」



背の低い少年が呟く。



「………海兄ぃ。この臭い、もしかして………」



もう一人の少年が最後まで言おうとした。そのとき。



「お菓子を試しに作ってみたから、味見して欲しいんです!下に来てください〜!!」



その声を聞いたとたん、2人は2階の窓から逃げた。











―――――――――――番外編:『恐怖の鬼ごっこ』……スタート!













「お兄ちゃん?空?」



少女―――――藍華が首をかしげる。

だが、返事はない。



「ねぇ、お兄ちゃ………あれ?」



2人の私室へ行った藍華は異変に気付く。

先ほどまでいたはずの兄と弟がいない。

そして、窓が開いている。



「もしかして………逃げたのかなぁ??」



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一方、学園の裏にある雑木林に2人の少年がいた。



「…………ここまでくれば問題なかろう。」



少年―――――海響が言う。

銀色で髪が長く、そこらへんの女子よりも整った顔立ち。

そんな外見に合わない言葉遣いをするのが特徴だ。



「……そうだといいけど。でも、藍姉ぇのことだからきっと………」



もう一人の少年―――――空が不安の色を隠せずに言う。

兄である海響よりも少し背が高く、こちらの方が兄に見える。



そして、空が言いかけたとき。



「見ーつけた♪ここにいましたかぁ〜♪」



今、一番聞きたくない声が後ろから聞こえる。



「ら、藍華…………」



青ざめていく海響。



「ささ、食べてくださいねぇ〜♪」



藍華の手には、七色に光る物体が沢山ある。



「さっきできたのはこれなんだ………」



空が絶望したかのように呟く。



「おいしそうでしょ?クッキーですよ☆さぁさぁ♪」



藍華の意識が空に向いている隙に海響は唱えた。



「光符よ、我の望む場所へと誘え。

 …………逃げるぞッッ、空!!」

「了解!!」

「え、ちょ、」



待って、と言う前に2人は消えた。



「……フフッ。どうやら鬼ごっこをしたいそうですねぇ〜。。。」



藍華の顔がだんだん黒くなっていく。

目を吊り上げ、口は笑っている。別人になっていく。

まるで悪魔のように。



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海響と空が向かった先は、玲と七乃花と悠詩が訓練中の裏庭。

玲vs悠詩が繰り広げられてる中、その間に2人が割って入ってきたから3人ともビックリ。



「「わっ!?」」



海響の首元には玲の剣先が。

空の目の前には悠詩のナックルが。

ともに寸止め。



「海響!?それに空も!お前ら危ねぇな。。。なんでここにきたんだよ?」

「藍華が………」



藍華が、という一言だけですべてを察した玲。

しかし、柊兄妹の頭の上にはハテナマークがついている。



「ぇ、藍華ちゃんがどうし「ぁ、いたぁ〜♪」



七乃花の質問の途中にやけにテンションが高く、そして黒いオーラが背後に見える藍華登場!

どうやら鎌で飛んできたらしい。



「ぁ、玲ちゃんも悠詩さんも七乃花ちゃんもいるじゃないですか〜☆」

(((やべぇっ!!)))

「クッキー作ったんですけど、ぜひどうぞ〜♪」



藍華が手に持つ袋の中にある物体から七色の光が。

それをみた柊兄妹は心の中で悲鳴をあげた。



「空ッッ!」

「了解ッ!!『飛鳥(ヒカ)』!」



鎌が宙に浮き、柄に空と海響が飛び乗った。



「Ice, become my guidepost!! ……『Ice Load』!!」



玲が早口で呪文を唱えた。『アイスロード』という技だ。

玲の足元に氷の塊ができ、玲の足を固定し、今にも滑り出すことができる。



「……『冠(カン)』ッッ!」



ナックルを頭上でぶつけ、悠詩の体に雷が走る。

軽く宙に浮き、悠詩の体が時折まばゆく光る。



「行くぞっ!!」

「「「御意!」」」



男子4名(そのうち女子1名)は目にも留まらぬ速さで逃げてった。



……残された七乃花。



(どーしよー……)



ワイヤー使いの七乃花は空を飛んだりする術がない。



「七乃花ちゃん、食べますよね?」



藍華がブラックスマイルで聞いてくる。

こうなったら残された道は………。



「ぁ、私、味覚音痴なの。だから、他の人のほうがいい感想をくれると思うよ。

 それより、たぶんこのままじゃ普通すぎるから……。

 そうだ!私の調合したこの調味料をかけてみたらどう?一味違うと思うよぉ??」



そう、藍華の仲間に寝返る事。

クッキーから逃れるだけでなく、実験中の新薬をテストできる。

まさに一石二鳥。



「わぁ、有難くいただきます!」

「もう、それ素晴らしくってさぁ♪みんなに食べさせようよ!!」

「そーですね!!では、みんなを追いかけましょう☆

 ……『飛蝶(ヒチョウ)!!』」



空と同じ鎌扱いの藍華は鎌を浮かせ、七乃花と共に柄に乗った。



(みんな、ごめんねぇ〜♪自分には勝てないのよぉ〜♪)



黒いセーラー服の2人が鎌で空を飛ぶ姿はまるで魔女のよう。

2人の魔女は逃げた4人を追いかけていくのだった。

海響と空がいなくなった後。

学園内の雑木林に、ブレザー姿の男女5人がやってきた。

空を除いた白帝生徒会のメンバー、貴乃、壱葉、玖穏、干弥、輝音だ。



「なぁ、貴乃はん。また迷ったんとちゃう?」

「ち、違うわよ!ちょっと道を間違えちゃって……」

「結局は迷ってるんだよねぇ〜。にしても学習能力って言葉あるのかなぁ〜?」



ギッッ、と干弥をにらみつける貴乃。



「ぅゎーん!ひーくん怖いよぉ!いっちぃ〜!!」

「なんでわいに!!」



貴乃と干弥と壱葉が騒いでいる横で、玖穏と輝音はため息をついている。



「……どーしましょう?輝音副会長?」

「どーしたもないわね……」



輝音はさらに深いため息をつく。



(こんなとき、空君がいれば………ぁれ?)

「空君!?」



輝音が向けた言葉の先には、鎌に乗っている空と海響。それに、氷に乗っている玲と悠詩。

どうやら悠詩は途中でエネルギー切れになり、玲に運んでもらった様子。

4人は地面に降り立った。



「あれ?輝音副会長!それにみなさんも!!どうしてここに!?」

「見ての通り、迷っちゃったのよ。貴乃のせいで。(私だけ先に呼んでくれたぁ〜♪)」

「ま、迷ってないわよ!何で私のせいなのよ!!」

「ま、そんなことより……ほんまに助かったわぁ〜。なんでここにおるんや?

 海響はんと空はんは実家に帰省中とだから一緒なのはわかるんやけど……」

「それはだな……………」



壱葉の問いに海響が答えようとした。



……………そのとき。







「「見ーつけたッッ☆」」



2人の魔女降臨!そして、2人は鎌から降り立ち、今聞きたくない言葉を発した。



「さ、食べてもらうよぉ〜♪」



裏切った七乃花が言う。



「なんで七乃花さんまで!?」

「ごめんね、空君♪ここは自分の身よりみんなのことを一番に考えたの!

 みんなの体にいいものが入ってるしね♪」

「それってまさか……」

「七乃花ちゃんが調合して下さった調味料を加えて、一味工夫しました〜!」



藍華が取り出したクッキー。

だが、それは先ほどと違い、七色に光らなくなったごく普通のクッキー。……のように見える。

理由を知らない貴乃たちは、興味深くクッキーをまじまじと見る。

そして、一人が口を開く。



「美味そうなクッキーやないか。わい、もろうてもいい?」



壱葉だ。



「勿論♪どうぞ〜☆」



藍華は屈託のない笑顔で言う。

壱葉がクッキーを口に運ぶ。

七乃花はひそかに「よっしゃ!」と呟いている。



「壱葉っっ!!」



海響が止めようとするが、時すでに遅し。

もう、壱葉の口の中にクッキーは入っており喉を通過している。



「ん〜?美味いやん!誰が作ったん?」

「はーい♪私です♪」



藍華が挙手しながら言う。

それを聞いたとたん、壱葉は青ざめた。



「……グハッッ……」



そして、壱葉は崩れ落ちた。

涙を流しながら倒れている。

いきなり、壱葉の頭からウサギの耳らしきものが生えてきた。



「ぇ、ぇぇぇええええ!?」



七乃花以外みんな絶句。



「泣くほどおいしかったのねぇ。嬉しいねぇ〜藍華ちゃん♪」

(データ搾取完了☆面白いデータだわぁ♪)



「そうですね♪耳のことは置いといて………壱葉さんも食べ下さったことだし、皆さんもどうぞ〜☆」



海響、空、玲、悠詩、貴乃、干弥、玖穏は後ずさる。

だが、輝音は動かなかった。



「輝音さん、食べてくれるんですかぁ〜?嬉しいです〜♪」

「いいえ、私、甘いもの苦手なの。だから、みんなにゆずるわ。」



「輝音ッッ!?」



「そうですか?少し残念ですけど、その気持ちはいただきます♪」

「さーて、みんな、食べようねぇ〜♪」



魔女が3人に増えた!!



「わ、私も甘いもの苦手で・・・・・」

「貴乃、嘘を言わないの!あなた甘いものは大好物でしょう?」

「うぐっっ……に、逃げるわよッッ」

「ラジャー!!ひーくん、了解しましたぁ〜☆」

「我等も逃げるぞ!!」

「「御意!」」



―――――――――――――――そして、「鬼ごっこ」が始まった。

『鬼』が始動する5分前から逃走している7人は、広い雑木林を走り回っていた。





「うわーん!絶対アレ食べたくないよぉ〜!!」

「ちょっと、干弥、煩いわ!!3人にばれてしまうでしょう!?!?」



貴乃は干弥に注意したつもりらしいが、明らかに貴乃の方が声量が多い。



「貴乃の方が煩いぞ。」



的確につっこむ海響。



「まったくだな。……つか、腹減った……。」



玲が軽く愚痴をこぼす。

『腹減った』という玲の発言に反応した貴乃。



「なら、あのクッキーを全部食べてくればいいじゃない!!」

「はぁ?貴乃、テメェこの俺に死ねって言ってるのか!?」

「そーゆうわけでは無いわ。お腹がが減ったんでしょう?だから食べてくればって言ってるじゃない!」

「誰があの殺人クッキーを食べるかってーの!!」

「あなた達の仲間でしょ!?私達まで巻き込まないでほしいわ!!」

「お前らの副会長もあの魔女達の仲間になってるんじゃねーか!人のこと言えねぇじゃねーだろ!!」

「黙りなさい、この男女!!」

「なんだと!?このチビ生徒会長!!!」

「なんですって!?」



ついに始まりました。

『黒帝のプリンス』vs『白帝の悪魔』の悪口合戦。



「あー。どーしましょー!?」



アワワと慌てる玖穏。

そして、先ほどの玲の「チビ生徒会長」発言でショックを受けている人が一人。



「『チビ生徒会長』、か………。」



黒帝生徒会長であまり貴乃と身長の変わらない海響さんでした。









「俺らはどーすればいいんだ……?」



まったくこの空気についていけない、逃げるので必死な悠詩。



「なぁ、空?」



返事ナシ。



「空?……あれ、空はどこに行った!?」



慌てる悠詩。

だが、その質問に答える者はこの場にはいなかった―――――――







そのころ、空は輝音に捕まっていた。

いや、正しく言えば匿ってくれた、だろう。



「いやぁ〜。輝音副会長、助かりましたよ!」

「いいのよ。貴乃にはお仕置きが必要だけど、空君には必要ないからね♪」

「言えてるかもしれませんね……あのクッキーで目を覚まさせなくてはいけませんしね〜。」

「そうそう♪」



貴乃のことを話しているのがちょっと悔しい……が!!

とにかく2人っきり、しかも至近距離で空と話している輝音の気持ちは

まるできれいなお花畑の中にいるよう。



そんな輝音の気持ちに気付かない空。

「クッキーを食べずに済む」という事にただ喜んでいた。







そして、まとまってる雰囲気がない逃走組は………………



とうとう痺れ薬が塗ってある七乃花のワイヤーに捕まってしまった。



「さーて、誰から食べていただきましょうかねぇ〜♪」



ブラックスマイル全開の藍華。



「おい、悠詩。七乃花はお前の妹だろ!?とっととこのワイヤーから開放するようにしろよ!!」



なにが何でも逃れたい玲。



「……ああなった七乃花は俺にも止めれない。というか元凶は藍華だろ!?おい、海、響……?」



海響に助けをすがろうとしたが、海響の様子がおかしい。



「…………チビ生徒会長………………」

「はぁ!?なにこいつ落ち込んだんだよ!?」

「さっきの玲さんの発言じゃないですかぁ〜?」

「……は!?アレは貴乃に言ったんだぜ!?なんでこいつが落ち込むんだよ!?!?」

「僕に言われたって知りません〜☆」

「………ってことで玲。あなたが全責任を取ってきなさい!!」

(そーだよ、玲さんが食べてくればいいのにぃ〜☆そーすればこの学園のプリンスは僕のもの〜♪)

「あぁ!?俺が全て悪いっていうのか!?ざけんじゃねぇ!!!」



こんな状況でもケンカする貴乃と玲。

…………そして、ひそかに黒いところを見せている干弥。



「んー。じゃぁ、まずはお兄ちゃんから食べてもらいましょうか♪」

(((お兄ちゃん!?)))



貴乃、玖穏、干弥はびっくり。

いつも聞く藍華が海響を呼ぶときは「久遠生徒会長。」

「お兄ちゃん」なんて初めて聞いた。

そういえば兄妹だっけ、といまさら再確認した3人だった。



「はーい、お兄ちゃん食べてください♪」



海響の口元にクッキーを近づける藍華。



そして……………





『パクッッ』





「「「「「!?」」」」」



普通に食べた。

しかも、残っているクッキーのほうにも目を向けている。



「もしかして、もっと食べたいんですか?

 でも、まだ他の人にも食べてもらわないといけませんからねぇ……」



「「「「「いえ、お構いなく!!もうお腹いっぱいなんです!!!!」」」」」





玲、悠詩、貴乃、干弥、玖穏の声は見事ハモっている。



「そうですか?では、みなさんのはまた今度作りますね。」

「「「「「気を使っていただなくて結構です!!!!」」」」」」





全力で拒否する5人。

そして、海響は無表情でクッキーを食べ続けている。



「なんで海響は普通に食べられるの!?」

「さっきの玲の発言にショックをうけて………」

「ヤケ食いかなぁ〜?」

「でも、海響さん大丈夫なんでしょうかね?お腹とか……」

「あいつ、無理やり食べさせられていたことがあってな。耐性ついたんじゃねぇの?」

「……とすると、」

「「「「「俺(私)(僕)らは何だったんだ!!」」」」」



藍華に聞こえない声で5人はひそひそと話していたが、最後は少し声を大きく上げてしまった。

藍華は満足げに海響の方を見ているので気づかれなかった。

しかし、七乃花はバッチリ聞いていた。最初から最後まで。



「んじゃぁ、私の実験台の候補としてあげとくねぇ♪」

「「「「「「は?ぁ、いぇ、遠慮します!」」」」」



(七乃花は地獄耳かよ!?恐ろしいぜ、まったく…………)



藍華と七乃花の恐ろしさを知った白帝と、再認識された悠詩と玲だった。





ちなみに、海響に生えたのは………………。





…………灰色の猫の耳だった。



そして、それは1週間ずっと付いたままだったという。




  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  

#茜奈様(ブログはこちら)から--------------------------------------------


 ワケわからなくてすみませんでしたー。(;´д`)

 自分でもだんだんワケわからなくなってしまいました;;

 今まで、玲ばっかだったので生徒会全員巻き込んだものを書きたかったのですw

 まぁ、この話でも玲の登場回数は多いですが(・∀・;)


 そして、壱葉の扱いが酷かったですねー………

 壱葉スキーって方ごめんなさい;;m(_ _)m

 言っときますが、茜奈は壱葉好きですよ!?愛ゆえの行動です。(違

 楽しんでいただけたら光栄です^^

 感想もあったら是非、ブログの方へお願いします♪

 茜奈が舞い上がります☆(マテ


ここまで読んでいただき、ありがとうございましたぁー(*・∀・*)

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